「あなたと一緒に移動しているAirTagが見つかりました」。こんな通知が突然出たら不安になります。この記事では、iPhone・Androidで持ち主不明のトラッカーの通知が来たときに取るべき行動を、Apple・Google・警察の公式情報をもとに順番に整理します。

この記事の結論

  • 通知が来たら、まず通知画面・地図・タグの情報をスクリーンショットで記録。捨てる・壊す・電池を抜くのは記録と相談の後で構いません。
  • iPhoneは「探す」アプリ、Androidは設定の「不明なトラッカーのアラート」から手動スキャンで確認できます。
  • 緊急でなければ#9110、身の危険を感じたら110番。紛失防止タグによる無断の位置情報取得は、2025年12月30日施行の改正ストーカー規制法で規制対象になっています。
壊す前に「記録→確認→相談」の3ステップ
壊す前に「記録→確認→相談」の3ステップ。図を選ぶと拡大できます。

AirTagのストーカー通知とは?どんなときに届く?

AirTagなどの追跡タグは、本来は鍵や財布をなくしたときに探すための道具です。ただ、他人のカバンや車にこっそり入れれば、持ち主はその人の居場所を知ることができてしまいます。そこでAppleとGoogleは、持ち主から離れたタグが自分と一緒に移動し続けていると判断したときに、端末へ通知を出す仕組みを用意しています。

Appleのサポートページは、AirTagや対応Bluetoothトラッカーの通知を受け取るためにiOS 17.5以降へアップデートするよう案内しています。AppleとGoogleは2024年5月に、iPhoneとAndroidのどちらとペアリングされたトラッカーでも検出できるようにする対応(iOS 17.5/Android 6.0以降)を発表しました。

項目 iPhone Android
対象OS iOS 17.5以降へのアップデートを案内 Android 6以降
主な通知の文言 「あなたと一緒に移動しているAirTagが見つかりました」など 不明なトラッカーのアラート
手動で確認する場所 「探す」→「持ち物を探す」→「あなたが所持中の見つかった不明な持ち物」 設定→「安全性と緊急情報」→「不明なトラッカーのアラート」→「スキャン開始」
音を鳴らす 通知から「サウンドを再生」 通知から「音を鳴らす」(所有者には通知されない)
注意点 機内モード中は通知を受け取れない アラートは48時間後に削除される

なお、家族や一緒に出かけた人の持ち物に付いたタグに反応することもあります。通知=ストーカー被害と決めつけず、次の手順で落ち着いて確かめましょう。

通知を受け取るためにiPhoneで確認しておく設定は?

Appleの案内では、次の4つがそろっている必要があります。

  • 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「位置情報サービス」がオン
  • Bluetoothがオン
  • 「設定」→「通知」→「トラッキング通知」が許可されている
  • 機内モードがオフ

AirTagの通知が来たらどうする?iPhoneでの確認手順

通知が来たときの流れを、Appleの案内に沿って順番にまとめます。

  1. 画面を記録する:通知と「探す」の地図(検出地点が赤い丸で表示されます)をスクリーンショットで残します。
  2. 音を鳴らす:通知をタップし、「続ける」→「サウンドを再生」。音が聞こえるか耳を澄ませます。
  3. 近くを探す:対応するiPhoneでは「探す この周辺」で、画面の距離と方向を頼りに近づけます。
  4. 持ち物を確認する:上着のポケット、カバンの外ポケット、車内など、身に着けているものや乗り物を見ます。
  5. タグの情報を確認する:見つけたら、NFC対応のスマートフォンをAirTagの白い面に近づけます。表示されたページでシリアル番号や、登録者の電話番号の下4桁などを確認でき、スクリーンショットで記録できます。

「サウンドを再生」が選べなくても、持ち物の確認は続けましょう(理由はFAQのQ3)。

知らないAirTagの見つけ方は?「探す」アプリで一覧を確認

通知を見逃した、または消してしまった場合でも、iPhoneでは「探す」アプリの「持ち物を探す」タブを一番下までスクロールし、「あなたが所持中の見つかった不明な持ち物」を開くと、地図で位置と一緒にいた時間を確認できます。

見つかりやすい場所の例は次のとおりです。

  • [ ] 上着・コートのポケット、フードの中
  • [ ] カバンの外ポケット、内ポケット、底の裏地
  • [ ] 財布・ポーチ・キーケースのすき間
  • [ ] 車の座席の下、トランク、車外の見えにくい場所
  • [ ] 子どもの持ち物やぬいぐるみ、プレゼントでもらった小物

車の外側など確認しにくい場所は無理をせず、警察への相談時に伝えましょう。

Androidで紛失防止タグを検出するには?手動スキャンの手順

Androidでは、AirTagやFind Hubネットワーク対応のタグなどを検出できます。自動のアラートを受け取るには位置情報をオンにしておく必要があります。

手動スキャンの手順(Googleヘルプの標準表記。機種によって表示が異なる場合があります)

  1. 設定アプリを開く
  2. 「安全性と緊急情報」→「不明なトラッカーのアラート」をタップ
  3. 「スキャン開始」をタップ(約10秒かかります)

アラートが届いたら、通知から地図を開き、「音を鳴らす」で探します。見つかったら「次のステップ」で対処法を確認し、デバイスIDや所有者に関する情報のスクリーンショットを保存しましょう。アラートは48時間で消えるため、記録は早めが安心です。

見つけたときにしてはいけないことは?

不安から思わず取ってしまいがちな行動の中には、あとで自分を守る材料を失うものがあります。

してはいけないこと 理由
記録を取らずに捨てる・壊す・電池を抜く Googleは、一部のトラッカーはオフにすると初期化されて所有者につながる情報が消え、警察が詳細を得られなくなる場合があると注意しています
Bluetoothや機内モードをオフにして安心する Googleによると、自分の端末の設定を変えてもトラッカーの位置共有は止まりません。Appleも、無効化はタグ側の手順で行う必要があるとしています
心当たりの相手に直接問い詰める 相手を刺激し、行動がエスカレートするおそれがあります。対応は警察を通しましょう
自分で相手を特定しようとする・タグを相手に付け返す 自分が法律に触れるおそれがあり、証拠としての扱いも難しくなります
危険を感じたまま自宅へ直行する AppleもGoogleも、身の危険を感じたら安全な公共の場所へ移動し、警察に連絡するよう案内しています

Appleの案内には「無効にする手順」も用意されており、無効化すると持ち主は最新の位置を取得できなくなります。身の危険を感じる場合は、記録を取ったうえで、タグ本体を持って先に警察へ相談し、無効化の時期も含めて相談するのが安全です。Appleは、警察がAppleにタグに関する情報の開示を求めることができ、その際に本体やシリアル番号の提示を求められる場合があると説明しています。

警察への相談は#9110と110番のどちら?

状況 連絡先
今まさに後をつけられている、待ち伏せされている、身の危険を感じる 110番
タグを見つけたが差し迫った危険はない、相談して対応を決めたい #9110(警察相談専用電話)
直接相談したい 住所・居所、相手の住所、行為が行われた場所のいずれかを管轄する警察署

政府広報オンラインは、警察による緊急の対応が必要な場合はためらわずに110番するよう呼びかけています。一方、#9110は緊急の事件・事故以外の相談に使う全国共通の番号で、かけた場所を管轄する警察本部などの相談窓口につながります。土日・祝日・夜間は当直や音声案内での対応です。携帯電話からもかけられますが、一部のIP電話などでは使えないことがあります。

相談時には、次のものを持っていくと話が早く進みます。

  • [ ] 見つけたタグ本体(袋などに入れて保管)
  • [ ] 通知画面・地図・シリアル番号などのスクリーンショット
  • [ ] 見つけた日時と場所、どの持ち物に入っていたかのメモ
  • [ ] 心当たりのある相手や、これまでのつきまとい・連絡のメモ

ストーカー規制法で紛失防止タグはどう規制された?施行日は?

警察庁によると、改正ストーカー規制法は2025年(令和7年)12月10日に公布され、2025年12月30日に施行されました。この改正で、紛失防止タグを使って相手の同意なく位置情報を取得する行為などが規制対象に加わりました。

時期 主な内容
2025年12月10日 改正法の公布
2025年12月30日 紛失防止タグによる無断の位置情報取得等を規制対象に追加/警察による職権の警告を新設/被害者の勤務先・学校にも援助の努力義務/違反行為があったときに被害者が住んでいた地域の公安委員会等も禁止命令等を出せるように
2026年3月10日 相手の情報を提供するおそれがある人に対し、警察本部長等が、提供先がストーカー行為等をするおそれのある人だと通知し、提供しないよう求められるように

神奈川県警察は、具体例として、自動車にひそかにGPS機器や紛失防止タグを取り付けることや、取り付けたタグの位置情報をひそかに取得することを挙げています。2026年10月31日現在、どちらの改正もすでに施行されています。

ただし、どの行為が規制対象に当たるかは、目的や状況によって判断されます。自分のケースがどうなるかは、警察や弁護士に確認してください。法改正の全体像や、調査を依頼する側の線引きは「ストーカー規制法と調査依頼の線引き」で詳しくまとめています。

探偵に相談できるのはどんなとき?

まず優先するのは警察への相談です。そのうえで、次のような場面では探偵社への相談も選択肢になります。

  • 警察に相談したが、自宅や自分の車に他の機器が残っていないか確かめたい(盗聴器・GPS機器の発見調査)
  • つきまといや嫌がらせについて、警察や弁護士に見せる記録・証拠を整理したい
  • 相談先が分からず、状況を聞いてもらいたい

探偵に依頼する場合も、他人を無断で追跡するような調査はできません。相談先を選ぶときは、探偵業の届出があるか、費用の総額と調査方法を書面で説明してくれるかを確認しましょう。自分で機器を扱う前の注意点は「GPS機器や盗聴器を自分で使う前に確認すること」も参考になります。

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警察以外の公的な相談先は「探偵トラブル・安全に関する公的な相談窓口一覧」、住所を知られたくない場合の手続きは「DV・ストーカー被害者の所在調査と住民票の支援措置」をご覧ください。

よくある質問

Q1. AirTagの通知が来たら、すぐに壊したほうがいいですか?

A. まず通知画面・地図・シリアル番号などを記録しましょう。無効化すると持ち主につながる情報が消えるタグもあります。身の危険を感じる場合は、タグを持って警察に相談し、無効化のタイミングも相談すると安心です。

Q2. Androidでも知らないAirTagは見つけられますか?

A. Android 6以降では、AirTagなどの不明なトラッカーのアラートを受け取れます。設定の「安全性と緊急情報」→「不明なトラッカーのアラート」から手動スキャンもできます(約10秒)。

Q3. 通知が来たのに音が鳴りません。安全ということですか?

A. 安全とは限りません。Appleは、タグが離れた、持ち主の近くにある、識別情報が変わった、などの理由で音を鳴らせないことがあると説明しています。持ち物や車内を確認し、不安が残る場合は#9110に相談しましょう。

Q4. 紛失防止タグでの位置情報の取得は、いつから規制されていますか?

A. 警察庁によると、改正ストーカー規制法は2025年12月30日に施行され、紛失防止タグによる無断の位置情報取得等が規制対象に加わりました。個別のケースが当たるかどうかは警察や弁護士に確認してください。

Q5. 警察に相談するとき、何を持っていけばいいですか?

A. タグ本体、通知や地図のスクリーンショット、見つけた日時・場所のメモ、心当たりのある相手やこれまでの出来事のメモがあると、状況を伝えやすくなります。

参考資料

公開時の確認日:2026年10月31日。資料の公開日・対象時点は各リンク先をご確認ください。