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(内閣府男女共同参画局の案内による。2026年11月1日確認)

この記事の結論

  1. 2026年4月1日施行の改正民法では、子への虐待のおそれや、DV等のおそれなどから父母が共同して親権を行うことが困難と認められるとき、裁判所は単独親権としなければならない(民法819条7項)。
  2. モラハラ(精神的DV)でも当たりうるが、必ず単独親権になるわけではない。診断書だけでなく、日々の記録・相談記録を含めた事情で判断される。
  3. 財産分与の請求期限は2026年4月1日以降の離婚なら5年、それより前の離婚は2年のまま。個別の見通しは弁護士へ。
「共同親権の判断で、精神的DVも考慮されうる」
「共同親権の判断で、精神的DVも考慮されうる」。図を選ぶと拡大できます。

避難先の秘匿や住民票の支援措置はDV・ストーカー被害者の所在調査と住民票の支援措置で扱っています。

共同親権はDV・モラハラがあっても選ばれる?——民法819条7項の「単独にしなければならない」場合

改正法(令和6年法律第33号)は2024年5月24日に公布、2026年4月1日に施行されました。離婚後の親権を共同にするか単独にするかは、協議・調停で決め、まとまらなければ裁判所が判断します。裁判所の説明でも、どちらか一方が原則とは定められていません。

ただし裁判所は、次のいずれかに当たるときなど、双方を親権者とすると子の利益を害すると認められるときは、父母の一方を親権者と定めなければならないとされています(民法819条7項)。

区分 内容(要点)
1号 父または母が、子の心身に害悪を及ぼすおそれがある
2号 一方が他方から暴力その他の心身に有害な言動(暴力等)を受けるおそれの有無、協議が調わない理由などを考慮して、父母が共同して親権を行うことが困難
その他 上の2つ以外でも、双方を親権者とすると子の利益を害すると認められるとき

判断では、子の利益のため、父母と子の関係、父と母の関係その他一切の事情が考慮されます。

モラハラ(精神的DV)でも単独親権になりうる?

法務省Q&A(Q3-7)は、身体的DVだけでなく、精神的・経済的・性的DV等によって共同での親権行使が困難と認められる場合もありうると説明しています。誹謗中傷や人格を否定する言動の繰り返しは、困難と判断されうる例とされています(Q3-12)。

内閣府は精神的暴力の例として、大声でどなる、人前でばかにする、何を言っても無視する、交友や電話・手紙を細かくチェックする、子への危害をほのめかして脅す、などを挙げています(すべてが法律上の「配偶者からの暴力」に当たるとは限らない、との注記つき)。生活費を渡さない・仕事を制限するといった行為は「経済的なもの」に分類される場合もあります。

一方で、感情的な対立があっても最低限のやり取りができる場合は双方が親権者とされることもあり(Q3-12)、DV等の主張が認められない場合もありえます(Q3-9)。「モラハラがあれば必ず単独親権」ではありません。

家庭裁判所は「おそれ」をどう判断する?

  • 過去のDV・虐待は重要な事実:今後の「おそれ」を基礎付ける方向の重要な事実とされています(Q3-8)。
  • 診断書は必須ではない:診断書のような客観的証拠の有無に限らず、諸般の状況が考慮されます(Q3-9)。一方当事者だけに立証責任を負わせる趣旨でもありません(Q3-4)。
  • 協議の経過も見る:協議で決めた親権者の変更が求められた場合、協議の経過として暴力等の有無、調停・ADRの利用の有無、公正証書の有無などが勘案されます(民法819条8項、Q3-16)。

なお、DVや虐待から避難する必要がある場合は、他方に無断で子を転居させても協力義務等の違反にはならないと説明されています(Q2-2)。避難が必要な状況は、共同親権でも一方が単独で親権を行使できる「急迫の事情」に当たりうるとされています(Q4-9)。

DV・モラハラの証拠は何を残せばいい?——記録・診断書・相談記録のチェックリスト

診断書が必須でないとはいえ、「いつ・何があったか」を後から説明できる材料は多いほど伝わりやすくなります。安全を最優先に、相手に気づかれない形で残してください。

記録チェックリスト

  • [ ] 日付入りのメモ:日時、場所、言われたこと・されたこと、子がいたか、体調の変化
  • [ ] メッセージ:メール・LINE等を日時と相手の表示が入る形で保存
  • [ ] 写真:けが、壊された物。撮影日がわかる形で
  • [ ] 医療機関の記録:診断書、心療内科などの受診記録
  • [ ] 相談記録:警察・支援センター・市区町村・学校などに相談した日付と相談先
  • [ ] お金の記録:通帳・明細など(経済的DVや財産分与の資料にも)
  • [ ] 保管先を分ける:自分専用のクラウドや信頼できる人など、相手が触れない場所へ

避けたいこと:相手のスマホやアカウントへの無断ログイン、無断のGPS取り付けなどは別の法律に触れるおそれがあります(ストーカー規制法と調査依頼の線引き)。録音の扱いも含め、弁護士に確認してください。

探偵に頼めること・頼めないことは?

探偵業法(平成18年法律第60号)の探偵業務は、依頼を受けて、聞込み・尾行・張込みなどの実地調査で特定人の所在や行動の情報を集め、依頼者に報告する業務です(第2条1項)。

頼める可能性がある 頼めない・断られる
調査方法 尾行・張込み・聞込み、報告書の作成 住居侵入、盗聴、他人の端末への無断アクセスなど(探偵業法で他の法令の禁止行為が許されるわけではない:第6条)
目的 弁護士に相談するための事実の記録 調査結果が犯罪・違法な行為に使われると探偵業者が知った場合(第9条1項)。避難した相手の居場所を探す目的など
契約 依頼者が「違法な目的に用いない」旨の書面を交付(第7条) —
法的な対応 — 親権・慰謝料の交渉や代理(弁護士の領域)

依頼の前に、その事実が手続きで必要かを弁護士に確かめるのが近道です。詳しくは探偵に依頼できる調査と、依頼者が避けるべき違法行為、調査報告書で確認することへ。

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※身の危険があるときは、探偵ではなく警察(110番)・#8008・DV相談+へ。

財産分与は5年に延びた?——施行前に離婚した人は2年のまま

改正で、財産分与を家庭裁判所に請求できる期間が、離婚の時から2年→5年に延びました(民法768条2項ただし書)。ただし附則4条の経過措置で、施行日(2026年4月1日)前に離婚した場合は、従前の例により2年です。

離婚した日 請求できる期間 目安の例
2026年3月31日まで 離婚の時から2年(従前の例) 2025年10月1日に離婚 → おおむね2027年10月までに
2026年4月1日以降 離婚の時から5年 2026年5月1日に離婚 → おおむね2031年5月までに

※期限ちょうどの日付の数え方や、協議中の扱いは、必ず弁護士に確認してください。

改正後の768条3項には、婚姻中に取得・維持した財産の額と各自の寄与の程度、婚姻の期間、婚姻中の生活水準などの考慮事情が書き込まれ、寄与の程度は異なることが明らかでなければ相等しいとされました。経済的DVで家計を握られていた人ほど、通帳や明細の保管が役立ちます。

施行前に離婚した相手から、共同親権への変更を申し立てられる?

施行前に離婚した父母も、施行後に双方を親権者とすることを含む親権者変更の申立てができます(Q3-15)。判断では子の利益の観点から事情が考慮され、前回の定めより前の重要な事情(過去のDV・虐待など)が後から判明した場合も考慮されうるとされています(Q3-14)。不当な目的でみだりに申し立てられた調停は、調停をしないことで終了させることができます(Q3-19)。申立書が届いたら、相手と直接やりとりせず、記録を持って弁護士に相談しましょう。

何から始める?

  1. 安全の確保:危険があれば110番。支援センターで避難や保護命令の情報を得る(2024年4月から、重篤な精神的被害を受けた場合にも接近禁止命令等の対象が拡大)。
  2. 記録を始める:気づかれない形で。
  3. 期限を確認:離婚日が2026年3月31日以前か以後かで、財産分与の期限(2年/5年)が変わる。
  4. 弁護士に相談:法テラスや弁護士会の法律相談など。探偵への依頼は、弁護士と必要性を確かめてから。

シロクのひとこと:「記録は“いつ・どこで・何を”の3点セットで。安全な場所に置こうね」

よくある質問

Q1. DVの証拠がなければ共同親権になりますか? A. 一概には言えません。診断書のような客観的証拠の有無に限らず諸般の状況が考慮される一方、主張が認められないこともあります。見通しは弁護士に相談してください。

Q2. 2025年に離婚しました。財産分与は5年請求できますか? A. 施行日前の離婚は経過措置で従前の例によるため、離婚の時から2年です。期限が近い場合は早めに弁護士へ。

Q3. 探偵に相手のスマホの中身を調べてもらえますか? A. 頼めません。他人の端末への無断アクセスなど他の法令で禁止された行為は、探偵業法の下でも許されません(第6条)。

Q4. 子どもを連れて避難したら、不利になりますか? A. 避難する必要がある場合、無断で子を転居させても協力義務等の違反にはならないと説明されています(Q2-2)。その後の手続きは支援センターや弁護士と相談しながら進めてください。


相談先を比べたいときは探偵社・相談先の選び方をご覧ください(比較ページには広告・アフィリエイトリンクを含みます)。

本記事は2026年11月1日時点の公式資料をもとにした一般的な情報です。個別の法律判断・安全判断は、警察・配偶者暴力相談支援センターなどの公的窓口や弁護士にご相談ください。

参考資料

公開時の確認日:2026年11月1日。資料の公開日・対象時点は各リンク先をご確認ください。