契約前:重要事項説明書面(第8条第1項)
契約を締結しようとするときは「あらかじめ」書面を交付して説明しなければなりません。記載事項は次の9つです。
| 号 | 記載事項 | 確認のしかた |
|---|---|---|
| 1 | 商号・名称または氏名、住所、法人は代表者の氏名 | 標識・会社概要と一致するか |
| 2 | 届出をした公安委員会の名称 | 営業所の所在地と対応しているか |
| 3 | 個人情報保護法その他の法令を遵守すること | 文言があるか |
| 4 | 第10条(秘密の保持等)に規定する事項 | 秘密保持と資料管理の説明 |
| 5 | 提供できる探偵業務の内容 | 依頼したい調査が含まれるか |
| 6 | 探偵業務の委託に関する事項 | 再委託の有無と委託先 |
| 7 | 対価その他支払う金銭の概算額と支払時期 | 総額の上限と算定根拠 |
| 8 | 契約の解除に関する事項 | 解除できる人・事由・違約金 |
| 9 | 作成・取得した資料の処分に関する事項 | 処分の有無・時期・方法 |
契約後:契約内容を明らかにする書面(第8条第2項)
契約を締結したときは「遅滞なく」次の事項を記載した書面を交付します。
| 号 | 記載事項 |
|---|---|
| 1 | 商号・名称または氏名、住所、法人は代表者の氏名 |
| 2 | 契約の締結を担当した者の氏名と契約年月日 |
| 3 | 調査の内容、期間および方法 |
| 4 | 調査結果の報告の方法および期限 |
| 5 | 委託に関する定めがあるときはその内容 |
| 6 | 対価その他支払う金銭の額、支払の時期および方法 |
| 7 | 契約の解除に関する定めがあるときはその内容 |
| 8 | 資料の処分に関する定めがあるときはその内容 |
解釈運用基準が示す書き方の目安
警察庁の解釈運用基準(令和6年4月1日)は、記載のしかたについて次の考え方を示しています。
- 概算額は、探偵業務に掛かり得る最大限の総額と、その算定根拠・個別の料金を示す
- 解除については、誰がどのような事由で解除できるか、違約金が生じ得るかを示す
- 資料の処分は、メモ・報告書・写真・録音などを処分するか、する場合の時期と方法を示す
- 調査の内容は、対象・期間・時間・方法、夜間や休日の割増が生じる場合などを具体的に示す
- 報告については、方法のほか、写真・動画・音声を見せるのか渡すのかを明確にする
- 書面は1枚にまとまっていなくてもよく、契約書・調査計画書・パンフレットなどを合わせて要件を満たす形も認められる
書面がそろわないとき
第8条の書面を交付しない、記載すべき事項を記載しない、虚偽を記載した場合は罰則(30万円以下の罰金、第19条)の対象です。説明が口頭だけのまま調査開始を急がれるときは、契約をいったん保留し、営業所を管轄する警察署や消費生活センターに相談する選択肢があります。
相談先・申込先の選び方
相談先を比べるときは、契約前に第8条第1項の書面を受け取り、持ち帰って読める相談先を優先すると比較しやすくなります。書面の提示を後回しにする説明があれば、その理由を記録しておきましょう。
出典・確認日
- e-Gov法令検索「探偵業の業務の適正化に関する法律」(平成18年法律第60号) (確認日:2026年10月12日)
- 警察庁「探偵業の業務の適正化に関する法律等の解釈運用基準について(通達)」令和6年4月1日(PDF) (確認日:2026年10月12日)
- 警察庁「探偵業について」 (確認日:2026年10月12日)
契約と調査範囲は、始める前に確認しておこう。